015.Osanna / Palepoli (1973)


パレポリ(紙ジャケット仕様)


パレポリと言葉だけきくとまるで女子中学生が食べている小粒のおかしみたいですが、どっこいどすこいプログレです。しかも異端児イタリア。プログレといえども、「知的」というよりは「野蛮」、「緻密」というよりは「豪放」といえましょう。展開がもうかなりの力技で、リフにリフをつないでいく感じのハードロック風。男くさくストレートなシャッフルでしばらくやったかと思えばフルートやサックスが雷神さまみたいなドラムとともに吹き荒れるパートもありめまぐるしい。メロトロンやテープ逆回転などプログレ概論基礎の単位はとっている様子ながらすぐに飽きてしまうようで、またぶっといファズベースをぶちこんできます。そして歌い上げるひげもじゃオペラ(イメージ)。なんとも暑くるしい世界です。心の準備なくオレンジ祭りに巻き込まれたらこんな気持ちなんだろうか…


一貫してある祭りのような雰囲気からかユーロロックにありがちな湿っぽさはうすく、とにかくパワフル。ブラック・サバスかいなというようなリフもあって、重心が常に低いのですね。巨人が振り回す石斧のようです。あまり深く考えずにただただ蹂躙されたいときにはおすすめできます。


○Animale Senza Respiro
クリムゾンの「21世紀の精神異常者」を違法建て増ししまくったような曲。