2013-03-01から1ヶ月間の記事一覧

008.須山公美子 / 夢のはじまり (1986)

月あかりが町じゅうぜんぶを銀箔のモノクロにしてしまった下で、裏道にアコーディオンを抱えた女が立っている。聞けば、女はこの裏町の活動弁士だという。お月さまやお星さまが窓ごしに見てきた、いろんな昔ばなしをたくさん知ってるんだよ。おひとりさまだ…

007.Milton Nascimento / Minas (1975)

M

昨日に引き続いてブラジルもの、「ブラジルの声」ミルトン・ナシメント。まばたきの瞬間頭突きされそうな、ものすごい顔ジャケですね。クリムゾン・キングの宮殿とお見合いをさせたくなる。 ぼくは漫画家・五十嵐大介の作品が大好きなのですが、ミルトンの音…

006.Lô Borges / Nuvem Cigana (1981)

L

ブラジル音楽においては「サウダーヂ」という感情の表現がキーになるらしい。和訳すると「郷愁」に近いところなのか、あこがれを含んだなつかしさというか、コレクトな日本語があるわけではなさそうなのですがどうやらそんな感じぽいです。 さてポルトガル語…

005.荒井由実 / 14番目の月 (1976)

もう曲ならびが壮観すぎる。「14番目の月」「中央フリーウェイ」「天気雨」「避暑地の出来事」と、70年代日本の夏がまるごと詰まっているかのよう。海へドライブするすべての車で聴かれてたのでは…とすら考えずにはいられません。1986年生まれの身としてはこ…

004.Atoms For Peace / Amok (2013)

A

2010年のフジロックで見たAtoms For Peaceは、なぜかトリコロール柄のはちまきを締め、アンガールズ風に着こなしたタンクトップ姿で奇天烈音頭にいそしむトム・ヨークさんの姿が印象的でした。ヒキヲタの最高昇華形態といえるであろうその音圧はとてつもなく…

003.Picchio Dal Pozzo / Picchio Dal Pozzo (1976)

P

聴いているだけで胸毛が生えてきそうな暑苦しさが売り*1のイタリアン・プログレ一門において、明らかに異質なファンシーさをかもしだすバンド。名前もPがたくさんついててなんだかかわいらしいですね。ジャケットのほうも、手塚治虫のスパイダー(おむかえで…

002.青葉市子 / うたびこ (2012)

薄い薄いページを一枚ずつ丁寧にめくり、読み聞かせるように歌う。ところがその相手はこちら側、聴き手ではなく、彼女が携えたギターなのかもしれない…そう思いついたとき、どきっとしてしまいました。少女の鍵つきの日記、あるいは密やかなお人形遊びをほん…

001.Rickie Lee Jones / Rickie Lee Jones (1979)

R

ギターケースとぺらぺらのボストンバッグだけを抱えて、ま夜中、無人の交差点で街灯を横切ってゆく女の子の姿が浮かんでくる。毎日バイトしながら詩を書いたり、油絵をかじったり、ジャズシンガーのまねごとをしてみたりなんかもして、うまいねなんて言われ…

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